人生の軌跡・流郷松三郎の残思録

米寿に想う我が人生

帆船大好き

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見る船・乗る船・作る船〔18〕

    作る船〔7〕ヴィクトリー号(10)

      完成  製作期間 1987年9月1日~1989年7月6日

 

         

      展示会              

   1年10か月の努力が実って目出度く完成し、晴れて展示会に出展した。
 

流郷松三郎の残思録再開

2023年1月23日

見る船・乗る船・作る船〔18〕

作る船〔7〕ヴィクトリー号(9)で中断した。

理由はパソコンダウンしてデータ壊滅、加えて御徒士組頭道中随伴録の執筆作業が佳境に入りブログ修復まで手が回らなかった。

念願の出版にようやく近付き時間的、精神的余裕が生じ、USBメモリーから古い写真を見つけ出したので再開したい。

 

これまでのページより内容が落ちるかもせれないが出来る限り頑張るつもりである。

次回から画締め為す。

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見る船・乗る船・作る船〔18〕

    作る船〔7〕ヴィクトリー号(9)

 

             製作期間1987年9月1日~1989年7月6日

 外板・甲板・マストヤード塗装・艤装・装着

            船体作業の最終段階である。

 船体塗装は船底部と船側部で大別して塗装、船底部を保護して船側部をイエロ ーと黒に塗装して終了する。区切り部がしっかり、はっきりしないと台無しで慎重に塗装して乾燥を待つ。その後に砲口始め滑車受け、防護柵などの塗装整備を行い船体の作業はほぼ終了する。     

        

次がマスト立てである。垂直平行の角度は図面で確認して調整し全体のバランスを見て先ずロープで固定し次にシュラウドを編みながら一本ずつ固定していく。船体への接着はない。各マストの上部シュラウドは事前に装着済みである。メインマストを立てて角度の基準とし、次にミズンマスト、フォアマスト、バウスプリットの順で装着しロープを遭って固定する。

        

        

       マストが装着された状態のヴィクトリー号この後はヤード

       の吊り下げ とロープ張りがあり完成間近である。

 

 

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見る船・乗る船・作る船〔18〕

    作る船〔7〕ヴィクトリー号(8)

        製作期間 1987年9月1日~1989年7月6日

甲板張り作業 (Deck Plans)

 Anatomy ob NELSON'SHIPの図面

 模型製作ではキットの図面に添ってデッキの板張り作業から開始である。実船の感じを出すのが最大の目的で板材の寸法と継ぎ合わせの位置に気を配りつつ根気よく張り詰めていく。

 下の写真は既に完成時に近いがアッパーデッキとクォーターデッキの出来上がり状態である。

      

     ここまでくると船体作業もいよいよ仕上がりの段階である。

 

 

 



 

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見る船・乗る船・作る船〔17〕

    作る船〔7〕ヴィクトリー号(7)

           製作期間1987年9月1日~1989年7月6日

大砲と艤装

外洋帆船のうち軍艦に必要な器具の第一番は大砲である。

 大砲の搭載数は沿岸警備艇など小型艦船の一桁台数に始まってガンデッキが多層になる戦艦レベルでは100門以上が装備されている。

 大砲の種類も性能も本来まちまちであるが、模型ではそれほど拘らず位置と台数だけを実船に準じて配置する。

そのため台車を含めて大砲作りも細かくて数が多いので手間と時間のかかる仕事である。

       

 砲身は部品としてキットに入っているので、車輪を付けた台車に取付け、固定用索具など細かい作業を施して船体の準備が出来るまで保管する。

艦尾楼パネル作り

       

 上は艦尾楼の外飾りパネルである。帆船で一番豪華な部分で、装飾された彫刻が施される場合が多いがヴィクトリー号は機能を重視して簡素に設計されている。その中で黒地に金色のカラーバランスが煌びやかで旗艦の威厳を保っている。製作作業では左右上下の手順を間違えず丁寧に窓枠を切り出し、マスキングに注意を払って塗装すればOKで、外板張りの終わった船体後部に接着する。

カッター・ボート作り

       

 大型帆船には上甲板に固定装備するカッターと舷側と艦尾に吊り下げ装備するボートが装着されている。本来カッターやボートそのものの構造は複雑で精巧な仕上げが求められ作成作業にも高度な技術を要する重要な付属品である。

 但しキット模型では一切簡略化され写真図面にあるようにソリッドの船体に細い外板を貼り付け、腰掛部分を切り出して嵌め込んで整形する。そのあとでオールを細い木材で作り、それぞれに塗装を加えて完成させる。所定の場所に取り付けられるのは本体完成間際の最終段階である。

その他の装備艤装部品  

 甲板上や舷側などに取り付けられる多くの艤装品がある。

ラダー〈舵)、鐘、旗、フィギャヘッドをはじめロープ操作のリギングに必要な無数の索具など多くの部品があり、順を追って根気よく作り上げていく。

 

 

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見る船・乗る船・作る船〔17〕

    作る船〔7〕HSMヴィクトリー(6)

              製作期間1987年9月1日 ̄1989年7月6日

マスト・ヤード材作り

 帆船は帆を広げ推力となる風を受けるための帆柱・マストが命である。

 マストにはロープ操作で帆を上げ下げさせるヤードが付いている。

 ヴィクトリー号はメイン、フォア、ミズンとバウスプリットと云う船首帆柱の計4本を備えた巨大帆船で柱や横材の構造も精密に整形されている。

下はAnatomy ob  NELSON’SHIPのマスト・ヤードの設計図である。

 模型ではごく簡略化してロープ張りの機能面だけを保持させるが、組み立てる部材の数が多いため作業工程は船体作業に匹敵するぐらい煩雑で且精密さが求められる。

 下はマスト・ヤードの手作り基本作業中の様子である。図面に基づいて各マスト・ヤードごとの棒材をテーパーに削り出していくのは大変な作業で、指定されたサイズに合わせて1パーツずつ作り上げ,1本に纏め上げていく。      

       

         

         

          出来上がったメインとフォアとミズンの3本マスト

 これにヤードを付けると完成するが、その前にロープ接続の細かいブロック付けの作業が待っている。甲板に立てるのはその後である。

         

 

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見る船・乗る船・作る船〔17〕

作る船〔7〕HMSヴィクトリー(5)

               製作期間1987年9月1日 ̄1989年7月6日

甲板張り

 外板張りと併行して甲板張りを進めていく。ヨーロッパと日本の船の最大の違いはキールの存在と甲板の密封性にある。嵐にあっても船が傾いても高波に遭っても海水が船室に流れ込まないような構造になっているのがヨーロッパの帆船で、和船のようにすぐに浸水するような構造とは根本的に異なっている。ヴィクトリー号のような大きな船になると船体内部は5層ほどの区分され且つ船尾楼には更に居室を伴ったデッキ(プープデッキ)が上積みされている。

 Anatomy ob  NELSON’SHIPの図面を下に示すが右側の断面図では船底にある船倉部分から最上部のクオーターデッキ迄5層に区分されているが、模型(左側)では砲門に大砲を備えるために必要なガンデッキから上の作業を施して簡略化している。

 デッキの板張りは重要な作業で、実船のイメージを出すために細かく計算して張り合わせるが、この作業もクオーターデッキとプープデッキなどの見える箇所のみで内部はべニアのみで板張りは行わない。甲板張りの出来具合は完成時の見栄えに大きく作用するので慎重な作業が求められる。

           Anatomy ob  NELSON’SHIPのデッキプラン

                 

   

   クオーターデッキ板張り前の仮設置。外板張り終了後に甲板板張りを行う。