人生の軌跡・流郷松三郎の残思録

米寿に想う我が人生

帆船大好き!見る船・乗る船・作る船

【1】幼児体験 軍艦那智 乗艦拝観見学

  昭和10年(1935)5月26日  場所 清水港

 年齢 昭和7年11月生まれのため当時2歳6ケ月   父に連れられて行った。

     生まれて初めての海と船に接した体験で、鮮明に記憶に残している。

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      父が手帳に残した那智拝観記念スタンプ

    記憶にあるのは波止場からランチに乗り白波を蹴って軍艦に向かった事。軍艦に乗り移る時にタラップの下に海が見えて少し怖かった事。乗艦した時に甲板がとても広く大きいなと感じた事。士官と水兵が数人いてカッコ良いと思った事。などである。

 軍艦那智日本海軍の有力重巡洋艦で艦暦は上の表の通りであるが、昭和10年5月25日に静岡県清水港に入港停泊した。

 偶々私の父が国鉄清水港駅貨物係の任にあり、物資補充等の業務に関係して10月25日に訪問乗艦した。(私の推測である)

 上は亡き父が昭和10年に使っていた手帳の余白欄に残されて乗艦記念スタンプである。上下二つ押されており上が5月25日で下が翌5月26日である。

 この二つのスタンプ日付から父は2回訪れており、初回は業務訪問、2回目は家族同伴見学訪問で、私が連れていかれたのは2回目の5月26日であったと思っている。

 記念スタンプは同一ページに2種類押されているが、26日の方が少し不鮮明であるが日付に疑いは生じないので、私は二日目に連れて行ってもらったと思っている。

 当時の軍艦は軍機密の塊のような存在で一般人はめったに乗艦できなかったので誠に貴重な体験をしたものだと思っている。見学ではなく〈拝観〉というスタンプが強烈に印象付けられる私の〝見る船・乗る船〟初体験であった。

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    重巡洋艦那智の主砲と艦橋