人生の軌跡・流郷松三郎の残思録

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帆船大好き

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見る船・乗る船・作る船〔17〕

作る船〔7〕HMSヴィクトリー(5)

               製作期間1987年9月1日 ̄1989年7月6日

甲板張り

 外板張りと併行して甲板張りを進めていく。ヨーロッパと日本の船の最大の違いはキールの存在と甲板の密封性にある。嵐にあっても船が傾いても高波に遭っても海水が船室に流れ込まないような構造になっているのがヨーロッパの帆船で、和船のようにすぐに浸水するような構造とは根本的に異なっている。ヴィクトリー号のような大きな船になると船体内部は5層ほどの区分され且つ船尾楼には更に居室を伴ったデッキ(プープデッキ)が上積みされている。

 Anatomy ob  NELSON’SHIPの図面を下に示すが右側の断面図では船底にある船倉部分から最上部のクオーターデッキ迄5層に区分されているが、模型(左側)では砲門に大砲を備えるために必要なガンデッキから上の作業を施して簡略化している。

 デッキの板張りは重要な作業で、実船のイメージを出すために細かく計算して張り合わせるが、この作業もクオーターデッキとプープデッキなどの見える箇所のみで内部はべニアのみで板張りは行わない。甲板張りの出来具合は完成時の見栄えに大きく作用するので慎重な作業が求められる。

           Anatomy ob  NELSON’SHIPのデッキプラン

                 

   

   クオーターデッキ板張り前の仮設置。外板張り終了後に甲板板張りを行う。