人生の軌跡・流郷松三郎の残思録

米寿に想う我が人生

1970年の秋

初の海外旅行【36】スイス訪問(1)ジュネーヴ到着と公式会議

 1970年11月4日(水)11時15分ウィーン空港からオーストリア航空OS211便に搭乗し、午後13時40分スイスのジュネーヴ空港に着陸した。

 途中眼下に眺めたオーストリア、ドイツ、スイスと続く峻険なアルプスと氷河の光景が見事であった。

 到着後、例によって両替を行った。下の写真は左がスイス通貨の½フランである。1フランの円換算は82円33銭であったから41円の価値であった。小型なコインであったが品格を有しているのが特徴であった。
 右はジュネーヴのスプーンで滞在中に市内の土産物店で購入した。頭部飾りにはめ込まれた鷲と鍵をデザインした絵柄はジュネーヴの紋章であると思われる。ヨーロッパ到着以来すべての都市でスプーンを漏れなく買い続けており、初志貫徹に間近い感に包まれた。

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スイスフラン½(1970年)とジュネーヴのスプーン

 ジュネーヴの空港から市内に通ずる道路は枯葉の季節を迎えた街路樹が美しく、遥かにモンブランの雪景色と重なり自然の庭園を満喫する景観を味わった。宿はレマン湖畔のド・ラ・ペというモンブラン橋のすぐ手前に建つ風光明媚な高級ホテルであった。
 1泊10ドルはとても無理であろうと覚悟してのチェックインであったが、コーディネーター先生の絶妙な交渉術が効を奏して予算内で決着し喜んだ。

 下はレマン湖に架かるモンブラン橋から眺めたホテルド・ラ・ペの全景とフロント外壁での待ち合わせ風景でえある。

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モンブラン橋から眺めたホテル・ド・ラ・ぺ(中央木立の左建物)と外で外出を待つ団員

 スイス・ジュネーヴでは2泊3日の滞在で、国際連合下部機関であるILO(国際労働機関)事務局での公式会議がセットされていた。翌11月5日にILOに赴き労使関係諸問題について日本人駐在員を交えて事務局員との意見交換を有意義のうちに終了し、そのあと旧国際連盟本部であるパレ・デ・ナシオンに赴き職員食堂で昼食を楽しんだあと庭内を散策した。

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ILO(国際労働機関)の建物とパレ・デ・ナシオンの庭(レマン湖モンブランを望む)

 奇麗に整備された庭園からはレマン湖越しに遥かモンブランの鋭鋒が眺望されヨーロッパの中庭を彷彿させていた。散策するにつれ枯葉が舞い落ちて足元に寄り添うので形の良い葉を数枚選んで拾い集め記念に持ち帰った。

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パレ・デ・ナシオンの庭で拾った枯葉

(1970年11月5日拾集・2020年12月30日スキャン)