人生の軌跡・流郷松三郎の残思録

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見る船・乗る船・作る船〔7〕

見る船(3)ディアナ号模型と戸田号模型

  1987年(昭和62年)9月19日  静岡県沼津市戸田港戸田造船郷土資料館

 

ディアナ号は幕末の安政地震(1854年・安政元年11月4日)の津波で下田沖で大破し、修理のため戸田港に向かう途中に戸田沖合で沈没したロシアの軍艦である。

 日本近海に初めて現れたのは1811年(文化8年)で、この時は国後島で艦長のゴローニンが幕府役人に捕えられ、報復として高田屋嘉兵衛が拘束された経緯のある船である。安政元年には日露和親条約締結交渉のため艦長のプチャーチンが乗船していたが救助され戸田に暫く滞在し、帰国船ヘダ号(戸田号)を建造してロシアに帰っている。

 時期は忘れたが昭和50年代の終わりに民間による「沈没船ディアナ号引き揚げ計画」が持ち上がり、募金活動が行われたので、当時帆船模型製作に興味を抱いていた私も趣旨に賛同し、会員となって毎年なにがしかの資金提供に応募参加した。

 確か東海大学であったと記憶しているが、海上から沈没海域と想定された一帯の電波調査を行ったが結局発見できず、計画は挫折した。計画団体からは調査報告書が送られてきたが、発見出来たら優先的に見学乗船できるという夢は吹き飛んだ。

 沈没船の発見は出来なかったが模型が沼津市戸田の造船郷土資料館に展示してあるので家族旅行を兼ねて訪れた。

下はその時の展示船の写真である。

 

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    ロシア軍艦ディアナ号の模型  沼津市戸田造船郷土資料館所蔵展示

 

下の写真はプチャーチンらが指導し日本の船大工らが建造した帰国船ヘダ号(戸田号)の模型である。

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    帰国船ヘダ号(戸田号)の模型 沼津市戸田造船郷土資料館所蔵展示

 ヘダ号(戸田号)は日本の造船工に洋式造船技術が伝わるきっかけとなった貴重な船である。

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以上、1987年(昭和62年)9月19日・戸田造船郷土資料館にて写す。







郷土資料館