1970年の秋
初の海外旅行【45】イスラエル訪問(2)公式行事
1970年11月11日(水)午前から午後のかけて公式行事が設定されていた。
朝キブツに外務省の女性係員が迎えに到着し。乗用車でテルアビブに直行し、イスラエル生産性研究所にて所長のI氏と面談した。下の写真はその時の会議風景である。
建国して僅か23年目で、しかもアラブ諸国に囲まれ3度の激しい戦争を経てようやく平穏を迎えつつあった時期で、経済も資源も乏しい中で建国の理念実現に努力する意気込みが感じられ、熱心に傾聴した。ヨーロッパやアジアにはない社会組織で、まだ実験段階を抜け切らない状態も感じられたが、キブツで一泊して住人と歓談して来た後だけにイスラエル国家の仕組みが概略理解できた会議であった。
場所を訓練センターに移して入植者に対する農作業や工場業務などの訓練の仕組みを紹介された後、賃金制度についての説明も受け午前中の会議を終了した。
市内のレストランで昼食となったが、地元の新聞記者が同席して取材形式の会食となった。日本生産性本部派遣の視察団来訪に高い関心が寄せられていたようであったが、質問内容はあまり覚えていない。対応は団長の仕事でコーディネーター先生の通訳で無事終了したようで、あとはワインを飲みながら歓談した。下の写真がその時の取材風景である。
テルアビブのレストランにおける新聞記者取材風景
午後はイスラエル労働者総同盟(ヒスタトルド)に赴き、特殊な労働組織について説明を受けた。
会議終了後キブツに帰着し夕食の提供を受けた後、外務省からの出迎えでエルサレム市内に赴き石作りの古い劇場で民族舞踊の催しに招待された。満員の観客席中央に案内され場内放送で日本の労働組合代表と紹介されて驚かされたが、オリエンタルカラー豊かな音楽と振り付けの民俗ダンスに異国情緒を存分に味わった。演目の最後で舞台上に呼び出され一緒に円舞させられたが、なんとも行き届いた楽しい接待であった。