人生の軌跡・流郷松三郎の残思録

米寿に想う我が人生

1970年の秋

初の海外旅行【32】ドイツ訪問(11)おにぎりとドイツ便り

 1970年11月1日(日)午前10時20分、フランクフルト空港からオーストリア航空OS402便で次の訪問地オーストリアの首都ウィーンに向けて飛び立った。今回のヨーロッパ訪問で一番長い一週間の滞在となったドイツに別れを告げたが、離陸前の搭乗待合室で嬉しいハプニングが待っていた。

 ルフトハンザのユニフォームに身を包んだK嬢がにこやかに現れ、別れの挨拶と共に一包みの紙袋を差し出した。中身は何とおにぎりで団員全員に行き渡るよう10個入っていた。今朝出勤前に握ったという事で未だ温かみの残る紙包みを有難く頂戴した。当時ドイツで生活する日本人にとってお米は勿論の事、海苔などの日本食材は貴重品であった筈であるが、我々団員の為に故国の味を届けてくれた優しい気持ちと労力に深く感謝し、音楽で培った友情の深さに強く感動した瞬間で有難く頂戴した。

 離陸後早速紙包を開き日本の香りに接した時の嬉しさは今でも忘れられないが、団員一同打ち揃ってヨーロッパ上空の機内でおにぎりを食べた光景はさぞ異色であったであろうと思い返している。

 ドイツ滞在中に各都市から会社・労働組合その他知人友人に旅行報告の絵葉書を送り続けていたが、留守宅の家族にもこの時3通送っている。帰国後に自分も見たいので保存を依頼していたが幸い処分されずに今まで残っていた。50年前に妻や子供に出したハガキも懐かしいのでブログにも留めておくことにした。

 下の写真は何れも西ベルリンで購入した絵葉書で2枚はベルリンの壁で1枚は西ベルリン市内の昼間と夜の景色である。続いてそれぞれの絵葉書に書いて送った文面である。

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絵葉書表面、左・西ベルリン市内風景、中央・ポツダム広場の壁、右・ベルリンの壁眺望台

 

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絵葉書文面、留守宅家族・妻と子供二人に送った3枚の旅行・近況報告